プリンタの製造原価

以前にも書いた通り、私は約20年前に某メーカー系列のコピー機販売会社に勤務しておりましたが、「コピー機の製造原価は定価の約8%」という噂話を耳にして、あまりの安さに驚いた記憶があります(笑)

 

これは開発費や間接コストを含まない純粋な製造原価と思われますが、定価100万円のコピー機の製造原価が8万円ということになりますから、大量生産の威力というのは凄いものです。実際は半値8掛けの業界でしたから、定価には何の意味もありませんが(笑)


ちょっと前に書いた製造原価33%理論に基づくと、メーカーは子会社の販売会社に25万円程度で卸している計算になりますから、この話は概ね辻褄が合います。

 

細かい数値は異なるでしょうけど、エプソンと子会社のエプソン販売でも同じような仕組みかと思われます。

 

当て推量ですが、販売店への卸価格から逆算して、エプソン販売への卸価格を約40-50%とすると、エプソンの製造原価は概ね15%前後と推定されますので、大人気の溶剤プリンタ SC-S80650の製造原価は、だいたい35-40万円ということで勝手に決定しました(笑)

 

「随分安いな…」と感じますが、何と言ってもコア部品のプリントヘッドも社内調達できますし、桁違いの数量のプリンタを大量生産している大企業ですから、優秀なエンジニアが原価低減を可能にしてしまうのでしょうね。

 

性能だけでなく、製造コスト面でも他社プリンタのパフォーマンスを大きく上回りますから、何ともやるせない感がありますね…


【続き】のぼり旗プリント業者からの営業メールがきました

前回インクジェットプリントののぼり旗の価格のことを書きましたが、サイングラフィックス業界でのインクジェット出力価格の下落は、比較的穏やかなように思えます。

 

業界により違いはいろいろあると思いますが、本質的なところとしてインクジェットプリント以外に経済的なプリント方法が存在するかorしないか、という点が大きな要素なのではないかと考えます。

 

のぼり旗は大昔から使われていた日本の伝統的広告物ですが、インクジェットプリント出現以前からシルクスクリーン印刷による大量生産が可能になっており、もともと低価格な相場感が出来上がっていたものと思われます。

 

従ってインクジェットプリントのぼり旗の割安感というのは、シルクスクリーン印刷のプリント単価が基準になりますし、逆に言えば割安感のある見積もりを作りさえすれば、シルクスクリーン印刷の仕事がインクジェットに置き換わるだけの話ですから、インクジェットプリントのぼり旗の受注を増やすことは容易です。

 

特に写真入りの4色分解版シルクスクリーン印刷ののぼり旗になると、設備の問題でプリントすることができない業者も多いですから、インクジェットでプリントしたいという業者側の事情もあり、余計に単価下落に拍車がかかったのでしょうね。

 

対して、サイングラフィックス業界では大判インクジェットプリント以外に合理的な印刷方法が存在しませんし、小ロット・一品モノが多いこともあり、値崩れがし難い構造になっていると思われます。

 

最近はネット広告等でもちらほら低価格を売りにする出力業者も見かけますけど、B&P社の損益計算書を見れば、他の印刷業界ではあり得ないくらい高利益率ですし、仕事さえあればまだまだ良い業界だと思います(笑)

 

このまま値崩れせず続いて欲しいところですね。


のぼり旗プリント業者からの営業メールがきました

価格表が添付されておりましたので拝見しましたが、インクジェットプリントののぼり旗が、数十枚のロットで1枚 3百数十円だそうで、ちょっとビックリしました。

 

色数によっては相当なロット数量まで、シルクスクリーン印刷より安いかもしれません。

 

赤字で販売している訳では無いでしょうし、この単価でも会社を運営するための十分な利益が出ているのでしょうから、凄い企業努力だと感心します。

 

のぼり旗は規格サイズですし、旗幕業界では圧倒的に流通量の多いアイテムですから、もともと価格競争が激しい分野ですが、同業者の皆さんは大変でしょうね。

 

幸か不幸か、弊社にはのぼり旗の注文がほとんどありませんので、影響は無いでしょう(笑)

 

ダイレクト昇華プリンタが発売されてから、15-16年程度経つかと思いますが、まさかシルクスクリーン印刷と同等のプリント価格になるとは…、という感じです。確かにプリンタの性能向上にも、目覚ましいものがありましたが…

 

「この価格で儲かるのか?」と半信半疑ではありますが、アダム・スミスによれば「見えざる手」により、最終的に市場は適切な需給量・価格に収まるそうなので、のぼり旗市場が今後どうなって行くのか、100%興味本位ですが暖かく見守りたいです(笑)


プリンタの製造原価に占めるプリントヘッドの割合

世に流通する大量生産品の製造原価は概ねどの業界でも定価の1/3程度だそうで、吉野家の牛丼でもユニクロの洋服でも電化製品でもだいたい似たような数値になるらしいので不思議なものです。

 

いつも大野インクジェットコンサルティング様経由でネタを拝借しているNessan Clearyさんのブログに、ミマキの新型プリンタ100シリーズについての記事がありました。

 

ミマキが溶剤とUVLFPを発売 (英語です)

 

一部抜粋すると

「プリントヘッドは、プリンタの中で群を抜いて最も高価なコンポーネントであり、場合によっては最大30%です。そのため、Mimakiは、インクの種類に関係なく、プリンタ範囲全体で同じタイプのプリントヘッドを使用することで規模の経済を模索しています。」

 

とのことで、製造原価の30%近くも占めるプリントヘッドは、吉野家の牛丼で例えると牛肉に匹敵する、まさにコアな材料ということになりますね(笑)

 

この記事によると、新しいプリントヘッドの採用により製造コストを引き下げることが、新型プリンタ100シリーズの開発意図のようです。

 

この数値に基づいて推定すると、ミマキJV100-160のプリントヘッドの仕入原価は、定価1,680,000円×製造原価33%×ヘッド代30%÷2個=@83,160円となります。

 

いい加減な計算ですが、それっぽい金額になりました(笑)

 

プリントヘッドは消耗部品ですから、保守サポートにおけるコスト削減もバカにならない金額になるのでしょうね。

 

以前にも書きましたが、個人的にはとても期待度の高いプリンタですし、ついでに恒例の決算前大幅値引きキャンペーンにも期待したいところです(笑)


ロール&フラットベッドのハイブリッド型UVプリンタ

いつもの大野インクジェットコンサルティング様のウェブサイトに、ハイブリッド型プリンタのメリットというテーマの記事が寄稿されておりました。

 

ハイブリッドプリンターのメリット

 

記事によれば、ハイブリッド型プリンタは単純にプリント業者の仕事量によって専用機との使い分けになるだろう、とのことですが、この新型コロナ禍で小ロット・多品種への適性や、さまざまなメディアに使用できるという点が再評価され、注目が高まっているそうです。

 

3.2m幅のターポリンからスマホケースのプリントまでを、1台のプリンタでカバーできるというのですから、確かにこれ以上のマルチユースプリンタは無いですよね(笑)

 

某プリンタメーカーによると、ロールメディア用と硬質材用のUVインクはそれぞれ特性が異なるため、ハイブリッド型プリンタにはやや否定的な見解を示しておりましたが、記事によれば、ハイブリッド用のユニバーサルUVインクというものが開発されているそうで、この辺りの問題も解決されつつあるようです。

 

「メディア搬送はどうなっているのだろうか?」と思いますが、紹介されているdurstやagfaの製品は真空吸着ベルトでの搬送となっているそうで、もの凄く手の込んだ機構を搭載しています。

 

「ロール型プリンタに搬送台をくっつけました」といった安易なものではなく、これらのプリンタはそもそもハイブリッドプリンタとしての有効活用をコンセプトに開発されているのですね。

 

欧米のスーパーワイドプリンタメーカーの製品はとても高価ですが、画質はもちろん、使い勝手や生産性といったところまで、実に細部まで考えられているように感じますし、ユーザーにそう思わせる提案力・ブランド力を感じますよね。


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